アイトラッキング活用事例【技能・技術伝承】バス運転の教育

お客様 活用事例【しずてつジャストライン株式会社】

ナックイメージテクノロジーのお客様である【しずてつジャストライン】のご担当者様にご協力いただき、アイトラッキングの活用方法を教えていただきました。

アイトラッキングの実用的な活用事例として、ここで紹介させていただきます。

いまバス業界では、事故を減らして乗客を安全に送り届けるための取り組みに注力しています。

しずてつジャストラインでは、いち早くその取り組みを始めており、そのなかでも特に「バス運転士の教育」に力を注いでいます。

そのバス運転士を教育するツールとして、 ナックイメージテクノロジーのアイトラッキングが使われています。

バス運転士【安全確認行動】の可視化にアイトラッキングを活用

しずてつジャストラインは「輸送の安全を確保するための取り組み」に積極的で、さまざまな計測機器や分析装置をシステム化して運転技術の可視化をしています。

例えば、バス運転士の運転技能を見るために、複数台のカメラや加速度センサー、走行データの計測装置をバス教習車に搭載しています。これらデータはリアルタイムに表示され、運転の状況が瞬時にわかるようになっています。

また、バスの運転状況だけではなく「運転士の安全確認行動」も計測して可視化できます。

この運転士の安全確認行動を評価するツールとしてアイトラッキングが使われています。

安全への取組みの詳細については、しずてつジャストライン公式ページをご参照ください。

しずてつジャストラインの安全への取組みについて【安全運転訓練車】

バス運転士の教育【技術伝承】におけるアイトラッキングの使い方

安全確認行動を可視化して評価するまでに、つぎのようなプロセスを踏みます。

ステップ1

アイトラッキング装置の装着

ステップ2

バス教習車で教習コースを周回

ステップ3

指導員がデータを見て指導

まずは指導を受ける運転士にアイトラッキング装置を装着します。運転士はアイトラッキング計測ができる状態にして運転席に座ります。

そのまま教習コースを周回します。指導員がアイトラッキングデータを見ながら、運転士の癖をその場で指導します。

教習コースを周回後、記録済みのアイトラッキングデータをリプレイします。再度データを見ながら運転士の癖を指導員が教えます。

しずてつジャストラインのノウハウ【指導員の洞察力】

アイトラッキングを使った教育に欠かせないのが、データの本質を見抜く洞察力です。しずてつジャストラインには、優れた洞察力を有した指導員がいるのも大きな強みです。

運転士が「どこを注視しているか」や、逆に「見逃しているところ」をアイトラッキングデータから読み取り、指導員が適切に教えます。

例えば、バスの運転では交差点の右左折時の前方に子どもが見えた場合、反対側にも人がいるか確認します。

指導員は教習時にアイトラッキングデータを見て、もし運転士が反対側に視線を向けていなかった場合、運転の癖として運転士本人にそのことを教えます。

下記映像では右左折時の視線の動きから内輪差の確認に注意が偏っている様子がわかり、教育が必要となります。

また、発車時の安全確認でもアイトラッキングが使われます。

こちらは、バス停発車時の安全確認の映像です。各箇所のミラー確認や、死角になりやすい箇所の目視確認が適切に行われているか、などを指導員がデータを見ながらチェックします。もし、癖がある場合は指導員が適切に指導します。

このような方法で若い世代の運転士へ技術伝承しています。

ナックイメージテクノロジーの取り組み

ナックイメージテクノロジーではバス業界の技能・技術伝承に注目して、ユーザーが使いやすいように製品やサポートの改善に取り組んでいます。

例えば、バスの運転に特化した「アイトラッキングの使い方動画」を準備しています。運転時の計測で注意することや、精度の良いデータを記録するコツなどをWEBにアップロードしています。

以下の動画は、その一部です。これら動画はユーザー限定で公開しています。

そのほかにもユーザーと話し合いの場を設けて、アイトラッキングの使い勝手についてヒヤリングしています。

例えば、ヒヤリング情報をもとにして「指導しやすいデータ表示」の改善を検討しています。一例として「視線が急に動いたときの表示方法」「近くを見ているときと、遠くを見ているときの表現方法」の改善があります。

視線が急に動いたときの表示方法

近くを見ているときと、遠くを見ているときの表現方法

計測サービスとレンタル

ナックイメージテクノロジーでは、アイトラッキングの請負計測サービスを提供しています。ナックイメージテクノロジーのサポートエンジニアが出張し、機材準備から計測そして、解析まで行うサービスです。

また、アイトラッキング機材のみのレンタルも可能です。必要なときに、いつでも何度でもレンタルできます。

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